第105章

島宮奈々未は慌ててハンドルを切り、路肩へ避けようとしたが間に合わず、ミニバンが側面から激しく突っ込んできた。

ミニバンには避ける素振りすらなく、まるで故意にぶつかってきたかのようだった。

凄まじい衝撃と共にサイドドアが大きく凹み、エアバッグが作動した。島宮奈々未は一瞬何が起きたのか理解できず、ハンドルに打ち付けた頭に強烈な鈍痛が走った。

そのまま短い間意識を失い、ハンドルに突っ伏した。

辺鄙な道ゆえに行き交う車もない。ミニバンの運転手は車を停めると素早く降りて状況を確認し、同乗者に目配せをした。

「さっさとやれ、こいつを運ぶぞ」

島宮奈々未は朦朧とする意識の中、誰かに車から引きず...

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